【公開シンポジウム】

次期学習指導要領をどうする!?

--- 外国語教育の視点から ---

登壇者やイメージ写真

日時

2026年8月8日(土)

13:00-16:30 (開場12:30)

会場

関西大学東京センター A・B教室

ハイブリッド開催 (対面+オンライン)

開催趣旨

 学習指導要領の改訂作業が2026年度末の告示に向けて進行している。現行の学習指導要領のもとで、外国語(英語)教育は、小学校英語の早期化・教科化による英語嫌いの増加と英語力格差の早期顕在化、中学校で学ぶ英単語の大幅増と教科書内容の難化による学力・意欲の低下など、多くの問題に直面している。また、AIの活用といった新たな問題にも対応を迫られている。

 私たちは英語教育政策の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた。学習指導要領の改訂作業が大詰めを迎える今日、本シンポジウムでは、現行指導要領の問題点を整理したうえで、改訂にあたって考慮すべき論点を提示し、建設的な提案を行いたい。そのために、これまで活動をともにしてきた4人に加え、若い世代の2人も登壇し、多様な角度から議論を展開する。

 改訂当事者、教育関係者、そして広く市民とともに、これからの外国語教育について考えたい。

プログラム

13:00–13:05

開会

13:05–13:25

江利川 春雄 氏

(和歌山大学名誉教授)

要旨

 現行学習指導要領の問題点を列挙し、改訂すべき課題を提示する。エリート養成のためのグローバル人材育成策を背景に、国は英語の語彙・指導内容を一気に難化させた。その結果、英語がわからない・嫌いな児童生徒が増え、学力の二極化が進んでいる。民間検定試験による到達目標管理と序列化、教育の市場化も危険だ。すべての子どもに外国語を学ぶ喜びをもたらすために、語彙と指導項目の精選、仲間同士が助け合う協同学習、AIにできない異文化コミュニケーションの重要性などを提案する。

13:25–13:55

大西 里奈 氏

(大阪大学(非))

要旨

 現行学習指導要領で掲げられた「主体的・対話的で深い学び」は、なぜ現場で十分に具現化していないのか——。高校教諭としての経験と、授業改善コンサルティングを通じて得た学校現場の知見をもとに、その要因を明らかにしたい。過密なカリキュラムや評価の過剰化、学びに結実しないICT使用といった制度的矛盾を指摘しつつ、協同学習の効果を実例とともに示す。さらに、生成AI時代において「探究」が単なる検索作業と丸写しに陥る問題を克服すべく、次期学習指導要領での協同的学びの「実装」に向け、深い学びのあり方を提案する。

13:55–14:25

上野 舞斗 氏

(四天王寺大学)

要旨

 なぜ外国語を学び、教えるのか。この問いは、平泉・渡部論争に代表されるように、繰り返し提起されてきた。そして今日、生成AIの急速な発展が再び外国語教育にこの問いを突きつけている。次期学習指導要領はこの問いにどのように答えようとしているのだろうか。中教審初等中等教育分科会の外国語ワーキンググループにおける議論を概観したうえで、特に生成AI利活用のあり方と「母語とは何か」という問題を取り上げ、外国語を学び、教えることの意味を改めて考えたい。

14:25–14:40

休憩

14:40–14:55

大津 由紀雄 氏

(慶應義塾大学名誉教授)

要旨

 わたくしはこれまで、外国語教育としての英語教育においては、母語の力をより積極的に活用すべきであると繰り返し主張してきた。具体的には、直感が利く母語とその運用に関する「気づき」を、外国語である英語の知識形成および運用能力の育成に生かすべきであるという考えである。とりわけ、ことばへの気づきの発達が著しい小学校期・中学校期においては、この考えの重要性はいっそう高まる。幸いにも、こうした年来の主張は、現行の学習指導要領の随所に反映されている。今回の改訂に際しては、この点が後退することのないよう、そして、さらに発展していくよう改訂作業の動向を注視する必要がある。今回のトークではこうした点について整理するとともに、時間の許す限りで具体的な例を示したい。

14:55–15:10

斎藤 兆史 氏

(東京大学名誉教授)

要旨

 外国語(実質的に英語)の学習指導要領と言いながら、これまで肝心の英語そのものに対する理解が必ずしも十分でない部分があったように思われる。たとえば、中学・高校の英語の授業は「英語で行うことを基本とする」といっても、その「英語」とは、どのレベルのどのような英語なのか。また、昨今の英語教育論を見ても、生徒・教員の英語力が実質的に議論されず、授業でどのような活動をさせるべきかといった小手先の方法論が目立つ。拙話では、英語行政の方針においても、現場の教育実践においても、しっかりと教育内容たる英語そのものを見据えることが重要であることを主張したい。

15:10–15:25

鳥飼 玖美子 氏

(立教大学名誉教授)

要旨

 現行の学習指導要領で気になる点は多々あるが、異文化コミュニケーションの視点からは、「コミュニケーション」と「異文化理解」が極めて単純化され「英会話」と同一視されている点を改訂して欲しい、と考えている。
 幸か不幸か次期学習指導要領では、生成AIと向き合わざるをえないので、人間のコミュニケーションがAIとどこがどう違うのかを考えることで人間の言語使用の本質を見極めることができる。発表では具体例を挙げながら説明し、改訂学習指導要領で外国語コミュニケーションについての理解が深まることを期待したい。

15:25–16:25

全体討議

16:25–16:30

閉会

参加申し込み

本シンポジウムは事前登録制です。対面・オンラインいずれの方法で参加を希望される方も下掲のフォームよりお申し込みください。

参加費

無料

※要事前申し込み

定員

対面90名

オンライン280名

締め切り

8月6日(木) 17:00

※定員に達し次第締め切り

申し込みフォームを開く
フライヤー(PDF)

会場案内・アクセス

関西大学東京センター A・B教室

東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9階

※サピアタワー3階のオフィスロビー総合受付で入館手続きを行ったうえで、9階にお上がりください。

JR 東京駅

日本橋口隣接(徒歩1分)

東京メトロ 大手町駅

B7出口直結

Online participation

オンライン参加の方には、開催前日に入室情報をメールにて送付いたします。